『ひとり上手/悲しみに』1980年10月21日発売 2007年10月2日発行
『ひとり上手』
私の帰る家は
あなたの声のする街角
冬の雨に打たれて
あなたの足音をさがすのよ
あなたの帰る家は
私を忘れたい街角
肩を抱いているのは
私と似ていない長い髪
心が街角で泣いている
ひとりはキライだとすねる
ひとり上手とよばないで
心だけ連れてゆかないで
私を置いてゆかないで
ひとりが好きなわけじゃないのよ
雨のようにすなおに
あの人と私は流れて
雨のように愛して
サヨナラの海へ流れついた
手紙なんてよしてね
なんども くり返し泣くから
電話だけで捨ててね
僕もひとりだよと騙してね
心が街角で泣いている
ひとりはキライだとすねる
ひとり上手と呼ばないで
心だけ連れてゆかないで
私を置いてゆかないで
ひとりが好きなわけじゃないのよ
ひとり上手と呼ばないで
心だけ連れてゆかないで
私を置いてゆかないで
ひとりが好きなわけじゃないのよ
JASRACコード 072-6756-8
アルバム『臨月』収録曲。
中島みゆきはアルバムとシングルとでは編曲を変えて発売することが多いのですが、この曲はアルバムと同じになっています。
イントロと間奏及びエンディングのリードギターの爪弾きがかっこいいです。
中島みゆきは凛とした声で歌っています。
相も変わらぬ「ふられ節」です。
男が去ってゆく、しかも別の女と一緒に。
「ひとり上手と呼ばないで 心だけ連れて行かないで
私を置いて行かないで ひとりが好きなわけじゃないのよ」
「ひとり上手」という単語は辞書には載っていない中島みゆきの造語です。「一人でいることが好きな人、ひとりでいても大丈夫な人」といった意味でしょうか。
「手紙なんてよしてね
なんども くり返し泣くから
電話だけで捨ててね
僕もひとりだよと騙してね」
手紙は形として残ります。何度も読み返してしまい未練が募るでしょう。その点電話は声だけですから、時間の経過とともに消えてしまいがちです。
なお、中島みゆきがオールナイトニッポンのDJをしていた時、「ひとり上手」という投書コーナーがありました。
『悲しみに』
悲しみに うちひしがれて
今夜 悲しみに 身をふるわせる
裏切りの足どりが
今夜示す おまえのドアを
知らずに泣いていればよかった
誰にさえ なげくあてなく
今夜 誰にさえ かみついてみる
名を呼べば ふり返る
友は知らぬ 笑顔をみせて
今夜は 夜に流されそうだ
悲しみは 白い舟
沖をゆく 一隻の舟
今夜は 風にながされそうだ
今夜は 風にながされそうだ
JASRACコード 020-2744-5
ピアノとギターのイントロが魅力的な美しいバラードです。
中島みゆきは高らかな声で歌っています。
この曲も一種の「ふられ節」か、三角関係を歌っています。
「裏切りの足取りが 今夜しめす おまえのドアを
知らずに 泣いていればよかった」
意味を汲み取るのが難しいフレーズです。
私なりに解釈すれば、男の家を訪れるとそこには別の女がいた。
男の家なんか行かなきゃよかった。
知らなきゃよかった。
自分の部屋で泣いてりゃよかった。
こみ上げる悲しみに身をゆだねる。
「今夜は 夜に流されそうだ」
「今夜は風に流されそうだ」
悲しみの余り、流れに身を任すほかない。
オリコン最高位は6位。